骨粗しょう症・左大腿骨転子部骨折 Ⅲ
骨粗しょう症・左大腿骨転子部骨折 Ⅲ
入院の翌日に手術する事になり、それに先立って手術方法や手術に関するリスクの説明があり、何枚もの書類に承諾のサインをした。母は91歳と高齢なので、輸血や麻酔による合併症や静脈血栓塞栓症などのリスクが高い事も覚悟の上での手術となる。
医師に、手術をしない場合はそのまま施設へ戻って寝たきりで過ごすことになると言われたので、手術をして翌日からリハビリをしてもらう選択をした。
手術方法は大腿骨内に金属製の釘を挿入し、その釘の穴を通して太い螺子で骨折部を固定する方法になる、と医師は図を描いて丁寧に説明してくれた。
手術は翌日の正午から行われ、その間私は控室で待っていた。1時間ちょっとで無事終了し、その後すぐに医師が術後の左下肢レントゲン写真を見せながら手術経過を説明してくれた。
左下肢の上部に小さな穴を3か所開けただけで、どのようにしてこんなに太くて長い金属棒が骨の中に挿入されたのだろう?またもう1本の小さな棒に螺子で固定してある映像は、まるで大工仕事の様に見える新しい手術法に驚いた。
出血が少なかったので輸血もなく、手術室から出てきた時には麻酔が殆ど覚めており、話しかければ受け答えができる状態で、医療技術の進歩に目を見張る思いであった。
手術の翌日からベット上でのリハビリが始まり、5日目には車いすでリハビリ室へ行き、2つの体重計に片方ずつ足をのせて体重のかけ方をコントロールしながら、両手で平行棒を掴んで立つ練習をした。
左足10キロ、右足28キロの体重をかけて、医学療法師に支えられながら立ちあがり、ゆっくり10数えながら立っているリハビリを2セット行った。
高齢なので、手術後も無事回復に向かう事が出来るのかと案じていたが、順調にリハビリも進んでいる様子に安堵した。