健康寿命を延ばそう3・施設により差がある介護の実態
健康寿命を延ばそう3・施設により差がある介護の実態
特別養護老人ホームへ入居した母を見舞っているうち、認知症の高齢者は動き回ると面倒を起こすので、介護しやすいよう行動を束縛して管理されている実態が明らかになってきた。入居者は「何もわからないし感情もない」と決め付けた「高齢者の人権を無視した虐待」とも思われる介護がなされている事に愕然とした。
本・カルタ・お手玉・トランプなど、退屈しないで過ごせるものを持って行って母と二人で楽しむのは許されたが、他の入居者を誘うと「認知症で何もできない人たちなので誘わないでほしい」と、介護職員から言われた。
母と童謡を歌っていた時も一緒に歌いたい様子の人を誘ったが「この人はアルツハイマーの認知症なので、誘わないでほしい」と言われた。本人の目前で尊厳を傷つける言葉を平気で口にする介護職員の無神経さにあきれ果てた。介護のプロとして許し難い言動であると、怒りさえ覚えた。
食べさせてトイレの世話をするだけが介護ではないはずだと、介護者としての教育を受けているのか疑問でもあった。このままの状態が続いては、心が傷ついた状態で高齢者は生き続けざるを得ないと思うと、哀れで静観していられなくなった。