健康寿命を延ばそう5・介護の違いで大きく変わる表情
健康寿命を延ばそう5・介護の違いで大きく変わる表情
骨折で入院していた病院での母は、とても明るくなりリハビリにも積極的に励み、楽しそうに会話が弾み笑い声も聞かれるようになった。入院当初の母の表情との変わりように、看護婦さん達も驚くほどであった。しかし退院して元の施設に帰ると、また暗く虚ろな表情に戻ってしまったので、やはり施設の介護方法に問題がある事は間違いないと確信した。
母だけがこの施設から逃げ出すのは、他の入居者に申し訳ないとは思ったが、母に残された時間を考えると、これ以上は待てなかった。母に笑顔が戻る事を願い新たな居場所を探し始めたが、制度上の理由で他の特別養護老人ホームへの転居は絶望的であった。
やむなく民間の施設を探す事にしたが、今度はより慎重に入居者の人権を尊厳した介護をしてくれる所を選ぶ必要があった。しかし、理想の介護施設は見た目にはわかりにくいことを痛感していたので、施設選択は想像以上に難しかった。