認知症高齢者の徘徊
認知症高齢者の徘徊
母が介護施設へ入居する以前、行方不明になる回数が頻繁になり、私は心労で疲れ果てていた。「認知症の高齢者が歩けすぎる(?)のは、介護する者にとっては悩みの種になる事もある」という現実に直面し、複雑な思いを抱えるようになった。
私は自分自身の歩行障害を改善するために「シェルマジック」を考案し、骨格のゆがみを改善しながらの筋力UPリハビリで、首や足腰に悩みを抱えた歩行困難者の歩きを改善する仕事に打ち込んできた。
しかし、認知症高齢者の徘徊がクローズアップされるようになり、行方不明者が多く中には死亡したり、何年も家族を探し出せないケースもあると報じられるのを見聞きし、高齢者を歩ける様にする仕事は果たして良い事をしたと言えるのだろうか・・・と悩み鬱状態になり、「自分でできる骨格のゆがみ矯正法」についての情報を発信できなくなってしまった。
その経験から、歩かせない介護が存在する事実は頭では理解できたが、自分の意志で立ったり歩いたりが許されない生活を強いる事は、高齢者にとって幸せな老後と言えるのだろうか・・・と、心が痛み新たな悩みを抱える事になった。
母を施設へ入所させ「歩かせない介護」の実態を見て、認知症になっても、「自分の意志で自由に歩ける生活は、何物にも代えがたい宝物である」という事に、改めて気付かされた。